人類遺伝学教室

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人類遺伝学は、ヒトの遺伝と多様性を対象とする学問分野です。人類遺伝学では、遺伝の分子機構や人類進化史の解明、疾患感受性遺伝子や難病の原因遺伝子同定、癌のゲノム解析による発癌メカニズム解明、などのヒトゲノムに関する様々なテーマの研究が行われます。また、これらの研究の成果は、疾患の治療や診断などにも関わり実用的な意義もあります。

近年の遺伝子解析技術の著しい発展により、膨大なデータが得られるようになりました。今後も、ヒトのゲノムや転写産物などの多様な大量データが産出されるとともに社会実装が進み、人類遺伝学は、基礎、応用の両面において重要性を増すと考えられます。

人類遺伝学教室では、ゲノム、エピゲノム、トランスクリプトームデータの解析から、ヒトゲノムの遺伝的多様性や変異の同定、それらの機能的意義の解明、疾患研究への応用を目指した研究を行なっています。特に実験と情報解析を用いたアプローチで人類遺伝学における様々な問題を解決していこうと考えています。

Information

2024.12.1 博士課程2年の池本滉さんが助教に着任されました。
2024.10.29 卒業生のWittawin Worakitchanonさんの論文が、Cell Host & Microbe誌に出版されました。本論文では、結核菌のゲノムのシークエンスデータを解析し、様々な種類の遺伝的多様性を検出し、病原性や薬剤耐性との関連を検出しました。本研究によって結核菌の病原性や薬剤耐性獲得のメカニズムの理解が深まり、新たな治療標的分子、病原性の高い株や薬剤耐性株を検出する検査マーカーの発見につながることが期待されます。
論文 プレスリリース
2024.9.6 鵜木准教授が、2024年度日本遺伝学会奨励賞を受賞し、9/6に高知工科大学で開かれた日本遺伝学会第96回大会で、受賞講演をおこないました。
受賞講演
2024.6.24 修士課程2年生の栗林くんが、6/22に開かれた第23回東京大学生命科学シンポジウムで、ポスター賞を受賞しました。
2024.6.18 鵜木准教授の論文がHuman Molecular Genetics誌に出版されました。卵子の細胞骨格構成因子の変異が原因で起こるマルチローカスインプリンティング異常症は、複数のインプリンティング制御領域のメチル化が低下する病気ですが、この論文では、長年の謎であった細胞骨格とDNAメチル化をつなぐ糸口を世界で初めて見出し、報告しました。
論文 プレスリリース
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