3-2.GWASデータを利用したHLA遺伝子領域のインピュテーション
Imputation of HLA alleles from GWAS data

Experimental HLA typing is costly and experimentally laborious especially in experiment deisgn with thousands of samples. In order to solve this problem, we have developed a highly accurate (average of 97%) population-specific HLA imputation system using only GWAS dataset as input.

<研究目的>

長年にわたるHLA研究の歴史の中で、HLA型の決定法は血清型(HLA-B27など)から遺伝子型(HLA-DRB1*15:01など)へと推移してきました。しかしながら、数千検体のDNAサンプルを対象としたHLAアリルの遺伝子型タイピングを実施すると、多くの時間と費用を必要とします。この問題点を解消するために、GWASデータを利用する様々なHLAアリル予測ソフトが開発されています。
自己免疫疾患やナルコレプシーなどの疾患を対象としたGWASにおいては、HLA遺伝子領域に位置する数百のSNPsが疾患感受性と有意な関連を示します。HLA遺伝子領域の連鎖不平衡ブロック構造は非常に複雑であるため、直接発症に寄与するHLAアリルを特定することはほぼ不可能ですが、HLA遺伝子領域を対象としたインピュテーションを利用することで、それらのHLAアリルを予測することができる可能性があります。
ただし、日本人と欧米人の間でHLAアリル頻度の集団差が非常に大きいことから、現在までに開発されているソフトをそのまま日本人に適用しても、適切な結果は得られません。

<研究のアプローチ・主な成果>

私たちは、HIBAGというソフトを用いて、HLA-A, B, C, DQB1, DRB1, DPB1にわたる99.8%以上のHLA遺伝子領域について、3,000名以上から構成される日本人パネルを作成し、ナルコレプシー感受性アリルを非常に高い確率で推定することに成功しました(HLA-DQB1*06:02は99.7%、HLA-DRB1*15:01は100%成功)。さらに、日本人パニック症候群を対象としたパスウェイ解析でもこの方法を適用することができました。
GWAS研究を実施されており、疾患感受性と直接関与するHLAアリルの同定に興味をお持ちの研究者の方は、是非私たちまでご連絡ください。

<本研究に関する文献>

  • Khor SS, Yang W, Kawashima M, Kamitsuji S, Zheng X, Nishida N, Sawai H, Toyoda H, Miyagawa T, Honda M, Kamatani N, Tokunaga K: High-accuracy imputation for HLA class I and II genes based on high-resolution SNP data of population-specific references. Pharmacogenomics J (in press) doi:10.1038/tpj.2015.4.
  • Shimada-Sugimoto M, Otowa T, Miyagawa T, Khor SS, Kashiwase K, Sugaya N, Kawamura Y, Umekage T, Kojima H, Saji H, Miyashita A, Kuwano R, Kaiya H, Kasai K, Tanii H, Tokunaga K, Sasaki T: Immune-related pathways including HLA-DRB1∗13:02 are associated with panic disorder. Brain, Behavior, and Immunity (in press) pii: S0889-1591(15)00004-5.

(文責:Seik-Soon Khor、人見 祐基)

研究内容・設備

1.疾患関連研究
(Genetics and complex human diseases)

2.ヒトゲノムDNA解析システム
(Human Genome DNA analysis system)

3.データベース・解析ツール
(Database and analysis tool)

4.日本人健常者の全ゲノム多型・配列解析データの提供方針
(Data sharing policy of whole-genome polymorphism/sequence data of Japanese healthy individuals)