1-7.HLA研究 Research for HLA

We are specialized in conducting case-control association studies focusing on HLA genes with the aim for identification of sensitive and resistant HLA alleles against various diseases.

<HLAとは?>

HLA(Human Leukocyte Antigen、ヒト白血球抗原)とは、ヒトにおけるMHC(Major Histocompatibility Complex、主要組織適合性複合体)のことで、「自己」と「非自己」の認識といった免疫反応において重要な役割を担っています。HLAにはClass IとClass IIがあり、Class Iが感染細胞から 細胞障害性(キラー)T細胞への抗原提示に用いられる一方で、Class IIは抗原提示細胞からヘルパーT細胞への抗原提示に用いられます。
それらのHLA蛋白をコードするHLA遺伝子群は、補体成分の遺伝子や偽遺伝子と共に、6番染色体短腕の4Mbの領域に密集しています。HLA遺伝子の大きな特徴として、その「高度な多型性」が挙げられます。HLAの各遺伝子がそれぞれ数十以上のアリルを持っており、それらが「HLAハプロタイプ」と呼ばれるセットを形成し、子孫代々受け継がれていきます。HLAは臓器移植の現場で組織適合性の検査に用いられるだけでなく、様々な疾患において重要な感受性遺伝子であり、さらに集団・民族の近縁性の解明などの人類学的研究にも応用することもできます。HLA遺伝子を研究することは、ヒトの遺伝と多様性を理解する上でたいへん重要です。

<研究のアプローチ>

HLA遺伝子は、数多くのアリルを持っていることや、よく似た遺伝子が重複して存在していることから、他の遺伝子と比べて遺伝子型タイピングが容易ではありません。私たちは、HLAに特化した症例対照関連解析を実施し、様々な病気に対する感受性及び抵抗性HLAアリルの同定を目指しています。
また、国立国際医療研究センターの宮寺浩子博士を中心として、抗原提示というHLAの機能に焦点を当て、疾患のリスクを上昇させるアリルがどのようなメカニズムを経て病気へ導くのか、機能的な解析も実施しています。

<主な成果>

私たちはこれまでに、睡眠障害・自己免疫疾患・感染症をはじめとして、ゲノムワイド関連解析を利用した疾患感受性遺伝子探索を実施したところ、多くの疾患においてHLA遺伝子領域が最も強い感受性を示しました。さらに、HLAを対象とした遺伝子型タイピングを実施することにより、それぞれ特定のHLAアリル又はハプロタイプが発症リスクを大きく上昇または減少させることを見出しました。
また、慢性B型肝炎・ナルコレプシー・I型糖尿病などを対象に、細胞におけるHLA蛋白発現系を構築し、今後それぞれの疾患の発症・病態に関与するHLA・ペプチド複合体の同定を目指しています。

<本研究に関する文献>

  • Miyadera H, Ohashi J, Lernmark Å, Kitamura T, Tokunaga K: Cell surface MHC density profiling reveals instability of autoimmunity-associated HLA. J Clin Invest 125(1): 275-91, 2015.

(文責:人見 祐基・宮川 卓)

研究内容・設備

1.疾患関連研究
(Genetics and complex human diseases)

2.ヒトゲノムDNA解析システム
(Human Genome DNA analysis system)

3.データベース・解析ツール
(Database and analysis tool)

4.日本人健常者の全ゲノム多型・配列解析データの提供方針
(Data sharing policy of whole-genome polymorphism/sequence data of Japanese healthy individuals)